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金無垢の大黒、買取れますか?

子供のころ家に「金無垢の大黒様」の置物がありました。
よくある北海道の土産品、木彫りの熊(シャケを咥えた)くらいの大きさで、けっして小さなものではありません。
ものごころついたころから、父は押し入れの中からそれを出して、「これはじいちゃん(父の父です)からもらったものだ。
金無垢といって全部芯まで金でできてる。
お前が大人になったらこれを譲るから大事にしろ。
もしお前がどうしても金に困ることがあったらこれを売って、しのげ」と言われていました。
もちろん、小さな子供のことですから、そういわれてもピンときませんでしたが、あまり何度も聞かされたので、耳にタコ、記憶には残っていました。
さて、私が高校の時です。
父はある事情で借金を負わされてしまい、家計にも影響が出て、私の大学進学も危うい状況になったことがありました。
私は進学をあきらめて就職するしかないな、まあそれもしかたない、かえってそのほうがいいかもしれない、とのんきに考えていました。
けれど両親はそんなのんきではいられません。
毎日のような夫婦喧嘩。
「どうするのよ」という母の声を何度聞いたかわかりません。
すると父は「よし、あれを売ろう」。
そうです。
あの「金無垢の大黒様」を金に換えてこのピンチをしのごうとしたのです。
父も祖父から「いざとなったらこれを売って」と言われていたにちがいありません。
それをどこへ持って行ったのかはわかりませんが、どうなったのか、その後、その話を両親から聞くことはなくなってしまいました。
結局、金策はどうにかなったらしく、私も奨学金をもらいながら大学へかようことはできました。
そして、その「大黒様」のことはすっかり忘れていました。
目にすることもなく、「あれ、どうしたの?」と親に聞くこともないまま、年を経ました。
大学をでて、就職して、ある日、母が私に話しました。
父のいないときに。
「お前が高校の時に、うち、大変だったでしょ。
お父さん(父のことです)が借金を背負わされて、さ。
あのころがうちのどん底だったね」。
それで私は思い出して、「そういえばあの大黒様、いくらに売れたの?」と聞きますと、「大黒様?ああ、あれ、売れなかったのよ。
5軒も6軒も回って買取してもらおうとしたんだけど、全部お断り。
だって、あれ、金無垢どころか金メッキでもなかったんだもの。
ただの金色の絵の具で塗ったまがいもの。
あれ、まだ押入れのどこかに入ってるわよ」。
今の若者なら「ガビーン」となるところです。
祖父はどこでどうして、そんなまがいものを「金無垢」とだまされてつかまされたのかは、母も知りません。
父はそれを信じて疑わず、もしかすると私の代まで、ありがたく継がせようとしていたわけです。
まあ、その大黒の力を借りないでもその難局をなんとか乗り切れたのだから、結果オーライですが、自分の代までまがい物の継承がもしかするとあったかもと思うと、その時にはっきりしてよかったということは言えます。
押入れの大黒は、誰も見ようともしないまま、今もある。
らしいです。


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